佐藤研の研究テーマ

位置情報の研究

  • 位置情報の推定

ハリーポッターの「忍びの地図」をご存知ですか? 自分がいまどこにいるか、友人はどこにいるのか、また自分の周囲にあるお店や目的地 はどこにあるかを知るために位置情報は重要な情報であり、GPS(グローバルポジショニン グシステム)を用いた位置情報取得が普及しています。しかし、屋内や地下街ではGPSが 利用できないため、様々な位置情報取得技術が研究開発されています。 本研究室では、無線LANの電波強度に基づく位置推定の研究、端末の加速度センサと 方位センサを用いてユーザの歩いた方向と歩数を推定する研究、マーカ画像を認識 する拡張現実(AR)を用いた位置推定方法の研究を行っています。また、位置情報の 応用として屋内ナビゲーションシステムの開発を行っています。

  • 位置情報の匿名化方式

位置情報はユーザのプライバシーを含む重要な情報です。他のユーザの位置情報を 使うことで、道路の混雑状況や人気のあるお店などの情報を得ることができますが、 位置情報とユーザIDが対応づけられてしまうと、ユーザのプライバシーが漏れてしまう 問題が生じます。従って、どのように位置情報とユーザの関連づけを防ぐかが重要な 研究課題となっています。従来、位置を曖昧化する方法やダミー情報を加えてユーザ を特定しにくくする方法が提案されてきましたが、匿名化のレベルが高まると情報の価値 が低下してしまうトレードオフがありました。 我々は、ユーザの密度に応じて複数の方式を組み合わせるハイブリッド型の匿名化手法 を提案し、情報の価値を損なうことなく匿名化のレベルを上げることができることを示しました。

  • 秘密計算を使った位置情報の管理方式

位置情報の匿名化の研究は、我々も含めて多くの研究が行われていますが、それらの 技術は位置情報管理サーバが位置情報を漏らさないということが前提となっています。 しかし、位置情報をクラウドなどの外部サーバに管理する場合、その情報の流出が問題 となります。 我々は、情報を複数のサイトに分散し、その中のある閾値個以上のサイトの情報を集めない と元の情報が復元できない技術、「秘密分散技術」に基づく情報管理技術を提案しています。 また、秘密分散に基づく秘密計算(秘密分散された情報の状態で、加算や乗算を計算サイト 上で行いその結果を集めることで、最終的な計算結果を復元できる技術)を位置情報管理 に用いることで、一部のサイトでの情報流出があっても位置情報自体が漏洩しない位置情報 管理方式を提案しています。

アドホックネットワーク

  • アドホックネットワークのルーティング

アドホックネットワークとは、無線通信能力を持った移動端末が動的に通信経路を構成し て、必要なときに必要なネットワークを構築する方法です。この場合の通信経路を構成す る技術がルーティングです。アドホックネットワークでは、端末が移動したり、電波状態 が変化したりするため、特別な対処が必要になります。佐藤研では、複数の通信経路を用 いて、各通信リンクの信頼度に応じて必要なデータを配分する、マルチパスルーティング の研究をしています。また、通信経路の切断を局所的に回復することで、素早い回復と効 率的な通信を実現する方式を提案しています。

  • アドホックネットワークにおける自動構成方式

アドホックネットワークでは、必要になったその場でネットワークを構成して利用するも のですから、事前にネットワークを構成しておくことは期待できません。そこで、自律的 にネットワーク構成することが必要とされています。その中で、IPアドレスの自動構成 については、有線のネットワークで提案されている方式の拡張が考えられています。しか し、IPアドレスの重複時にどのようにアドレスを付け替えるかに関する具体的な提案は ありません。我々は、IPアドレスを一定時間だけ複数管理することで、付け替え前に存 在していたコネクションをできるだけ中断せずに新しいIPアドレスに移行させていく方 式を提案しています。

  • アドホックネットワークにおけるセキュリティ

アドホックネットワークは、有線ネットワークのような専用のネットワーク機材を利用せ ず、一般の端末で中継されてデータが送られるため、セキュリテ上の問題点が多くなりま す。我々は、各端末が公開鍵を取得していることを前提として、経路上の端末を認証しな がら構築する新しい方式を提案しています。また、公開鍵を前提としない場合、PGPで 利用されている信頼の輪の考え方を使ったルーティング方式を提案しています。

  • アドホックネットワークのためのMACプロトコル

アドホックネットワークをMAC層で実現する仕組みがIEEEにおいて標準化が行われ ています。この場合、MAC層が既存のものと共存できなかったり、IP層との連携が行 われない問題があります。我々は、IP層の情報をMAC層で利用することで、既存のM AC層を拡張してアドホックネットワークを効率的に実現方式を提案しています。

センサネットワーク

  • 省電力センサネットワークのためのクラスタリング方式<

センサネットワークとは、温度センサや照度センサなどのセンサ端末によって情報を収集 するためのネットワークです。広い田畑の管理や、災害監視、セキュリティ、ユーザや顧客 のトラッキング(移動監視)等に利用します。センサ端末は多くの場合バッテリー駆動である ことが多く、センサノードのバッテリーを取り替えることは非常にコストがかかることが多い ため、できるだけ電力を消費しないデータ収集プロトコルを設計する必要があります。 我々は、センサノードをクラスタリング(領域ごとにグループ化)して、その領域の代表ノード がマルチホップでデータを転送するプロトコルを提案して、その有効性を確認しました。

  • 環境発電を用いたセンサネットワークのための通信方式<

センサネットワークの新しい電力源として、太陽光発電や振動発電などの環境発電を利用 する方法が提案されています。しかし、環境発電は発電量が安定しないため、発電できる ときにデータを送信しなくてはならないなど、もともとのセンサネットワークよりも不安定な 状況での効率的な通信を考える必要があります。 我々は、太陽光発電において、影の移動状況からノードの発電状況を推定して、適切な 受信者にデータを送信するデータ転送プロトコルを提案しています。また、ノードの同期が とれていない(送信と受信のタイミング)ことによるパケットロスが通信の効率を下げてしまう 問題に対して、蛍の明滅動作に基づく進行波の生成をセンサノードに導入して同期を管理 してパケットの到達率を向上させる方式を提案しています。

P2Pネットワーク

  • 階層型分散ハッシュによるサービス発見方式

分散ハッシュ方式は、インデックス情報を複数のノードに分散して管理することで、負荷 の集中を防ぐことができる、P2Pにおいて効率的なサービス発見機構です。この分散ハ ッシュ機構は、階層的に行うことで、更に効率を高めることが知られています。しかし、 検索の頻度やサービスの利用状況の偏りによっては、階層構成が効果を表さないことが我 々の評価で分かってきました。そこで、我々は検索頻度やサービスの利用状況に応じた階 層の自動再構成方式を提案しています。

  • 階層型分散ハッシュの応用

分散ハッシュは効率的なサービス発見方式として知られています。我々は、階層的な分散 ハッシュを使って、携帯電話間のチャットシステムを構築しました。携帯電話は電源が切 られたり、電波の届かない場所にあることもあるので、分散ハッシュには直接参加できま せん。そこで、インターネット上にプロキシサーバを用意し、そのプロキシサーバが分散 ハッシュを構成することで、チャットへの参加者の管理を行うようにしています。その結 果、効率的で安定性のある名前管理が可能となりました。

  • P2Pマルチキャストのための配送木構築

マルチキャストの一つの実現方式として、アプリケーションレベル実装するP2Pマルチ キャストが提案されています。我々は、P2PマルチキャストがIPレベルの経路におい て重複する部分があり、無駄な配送となることがある点に着目し、より効率的な配送木に 再構成する方法を提案しています。そのとき、配送経路の情報としてtracerouteによる情 報を利用して、重複度を調べその結果によって、配送経路を部分的に変更する方法をとり ます。これによって、局所的な木の構成変更によって、配送効率の良い木が構築できます 。また、多対多のマルチキャストの配送木は、1対多のマルチキャスト木をそのまま利用 すると効率が悪くなる場合があります。また、受信者が順次参加する接続方式においては 、フラッディングなどの従来の配送木構築は利用できません。そこで、配送木の各ノード が自分より先の木の大きさや自分の管理する分岐数の情報を持ち、新たなノードが参加す るときに、その情報を知らせることによって、最適な接続点に接続させる方法を提案して います。

/var/www/html/data/pages/研究テーマ.txt · 最終更新: 2014/10/29 12:21 by sato
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